看護師のブランク明け

ブランクあけで看護師として復職する人にとって、しばらく期間をあけて医療現場に戻る事に少なからず不安を抱いている事でしょう。最近では多くの医療機関が「復職支援セミナー」を行っています。

復職支援セミナーとは

潜在看護師、復職支援セミナーとは

出産や結婚などで看護から離れている「潜在看護師」の約8割近くが「いずれ復職したい」と考えていると言われています。しかしいざ復職となると、ブランクの間に「現場を離れていた事」が不安になり、ためらう人も少なくありません。その為に医療機関や公的機関が「基本的な看護技術の演習・最新の医療事情講義」を開催して、復職する人のサポートを行っています。

ブランクのある看護師の復職に対する不安代表例5つ

  • 看護の知識や技術を忘れているのではないか
  • 新しい医療機器に対応できるのか
  • ブランク明けで新卒やベテランの看護師とどう接すればいいのか
  • 医療ミスに対する不安
  • 子育てや家事との両立について

復職支援セミナーの対象者は

  • 看護師、准看護師、保健師、助産師の資格を持つ人
  • 現在、離職中の人
  • 復職を視野にいれて求職中の人

復職支援セミナーを行っているところは

  • 日本看護協会(ナースセンター)
  • 転職支援サービス会社
  • 大学病院や国立、大規模病院(入職予定以外の人にも開放している所が多い)
  • 病院が復職でその病院に入職する人だけを限定して開催

復職支援セミナーの内容について

各病院ごとに違うので一概には言えませんが、おおよそ以下のようになっています。

  • 1日型セミナー
    講義をメインとして最近の看護事情や看護技術の基本を復習するようなセミナー
  • 数日間の支援プログラム
    演習をメインとして、模型を使った実践や実際に医療機器を使用する体験ができます。その中でも基本的な技術を体験するコースや、病棟実習をメインとするものなどがあります。これから復職する予定の診療科や医療機関に合わせて選ぶと良いでしょう。
  • 長期(1週間〜10日間)支援プログラム
    長く現場を離れていた人向けに講義と演習の両方を組み合わせ、さらに病棟や外来見学も含まれる復職支援セミナー。ナースセンターや大学病院等で行っているケースが多いようです。中には看護の基本技術以外に、自分でセミナー内容を選んで組み合わせることができるタイプもあります。

復職支援セミナーを受けるべきか、受けないべきか

これは人によって考え方があるでしょうが、一般的に「離職5年以上」の場合にはやはり実践できる「演習タイプ」の復職支援セミナーを受けたほうが安心でしょう。また、復職先の病院に支援セミナーがあるのなら、受ける事をお勧めします。一般向けの復職支援サービスと違い、病院側がブランクあけで入職する看護師に絞って支援セミナーを開催している場合にはその病院の見学や病棟体験などその後に役立つ面もとても大きいと思われます。

とはいえ、例え1年でも現場を離れると不安になるのは、やはり看護師という命を預かる特殊な仕事に就いているからこそ、です。最近では病院以外でも看護師専門の転職支援サービスなどが目的に沿って支援セミナーを行っている場合も多いので、こちらもお勧めです。

ブランク可の求人を探すのも手

こういったセミナーに参加して、現役時代のカンを取り戻すのもアリですが、ブランク可の求人に応募するのもひとつの手です。例えば看護のお仕事にはブランクOKの求人が1万5千件以上あります。この中にはサポート体制がしっかりしている病院も多く、復職でも安心して就職することができます。

【復職支援セミナーに参加した人の感想・口コミ】

【復職支援セミナーに参加した人の感想・口コミ

復職支援セミナーは「看護技術の履修」だけではないメリットもある

  • 子供を1日保育に預けながらセミナーに通うことで「子育てと仕事の両立」を実感できた。実際に復職してからのタイムスケジュールなども具体的にわかり、準備ができて良かった(Hさん・33歳)
  • 講義で50代のベテランナースの方が「お子さんを出産し、母親になった事は看護師の現場でとても大切な経験としてプラスになるでしょう」と話して下さった時に意欲がわいた。復職後に育児との両立に少し悩んだ時期も、あの時のセミナーでの話を思い出すと頑張ろうと思えた。(Fさん・29歳)
  • 復職支援セミナーで同じように離職して何年もたってから復職している看護師がこれほど多いんだとわかり心強く思いました。当時一緒にセミナーを受けた仲間とはそれぞれ違う医療機関で働いているだけに、逆にあれこれ愚痴や相談もしやすい。年に2回ぐらい集まっては「そっちはどう?」なんて話をしています。そういう看護師仲間と出会える事もメリットがあると思います。(Oさん・37歳)

復職支援セミナーを利用して良かった

K子さん:病床数500の医療センター主催の復職支援セミナーに参加・35歳(子供あり)

  • 研修期間が1週間と長めでかなり詳細なコースを選びました。初日は外来や病棟の見学から、医療安全管理のセミナーがありました。その後は実際に採血や心電図モニター、シリンジポンプ等の取扱い実践演習もあり、最新機器の予備知識を得ることもできました。

実際に1週間現場に出て学ぶことで「ああ、そうだった!」と思い出す事も多かったですね。それともうひとつ良かったのは、子供や夫がその1週間の間に「お母さんが看護師として仕事に出る」という事を実感できたという点です。帰宅してからも今日学んだ事を復習したり、レポートを書く姿に看護師として復職する真剣さも伝わったようですし、積極的に家事や育児をサポートしてくれるようになりました。自分だけでなく、家族もまた「お母さんが看護師として働く」ことに慣れるためにも、こうしたセミナーを受講するといいと思います。

復職先の医療機関によって「受けた方がいい場合」もある

Tさん:ナースセンターの有料「復職支援講習会」に参加・34歳(子供なし)

復職先にもよると思います。私の場合、クリニックだったのでやはり復職支援セミナーに参加して演習を受けておいて良かったなと思いました。

クリニックは即戦力が基本ですし、特に研修もなければ看護師の数もギリギリの場合が多いので同僚や先輩のフォローをあてにできません。久しぶりに採血をしてみたらけっこう緊張してしまって、「あれれ?」という感じだったので、演習があって良かったと思いましたね。

逆に私の友人で大学病院に復職した子は「お金を払って復職支援セミナーを受けたけど、採血や点滴もドクターがするから、あんまり意味がなかったかも」なんて言っていました。

復職支援セミナーを利用しなかった理由

S代さん:大学付属病院での復職支援セミナーはあったが受講せず・29歳(子供あり)

  • 復職先の支援セミナーは2部に分かれており、最新の医療や看護に関する講義や新薬の知識、再就職の心構えのような講座と、看護の基礎技術の演習(採血、点滴、輸血管理、バイタルサイン、心電図の読み方、フィジカルアセスメントなど)で合計4日間でした。私自身は出産でブランクはありますが3年程の事でもあり、さほど基礎技術面に関する不安はありませんでした。

それに結局、看護は現場で覚えるもの、という認識があります。新卒で入職した時もオリエンテーション等はありましたが、実際に現場で覚えた事ばかりです。セミナーで過ごす4日間があるなら、それよりも現場で徹底的に体で覚えた方が早いと思います。看護師は多忙ですが、的確に、そして簡潔にわからない点をまとめて聞けば、大抵の先輩ナースは教えてくれます。

3日も現場に立てば、基本的な事はだいたい思い出しますし、病院の方でも最初の1週間ぐらいは復職したばかりだから、とベテランナースにつけてくれたりして配慮してくれる所が多いので、あまり心配はいらないのではないでしょうか。10年単位で現場を離れていれば別ですが、数年程度の離職ならあまり気にしなくても大丈夫だと思います。

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